私に断りもなく

 

使わなくなった物たちが部屋から消えてゆく
捨てたのだから、消したのは私なんだけど
それでも
私にはいつも、それらがすべて
私に断りもなく消えたように見えていた
そして、そんなふうにして居なくなった人を
一人だけ知っている……
あの人もまた、私が突き放してしまったのだ
けれど私にはやっぱり
私に断りもなく消えたように見えた