雨足辿る

 

子供たちは楽しそうに走る
無邪気に、戯れるようにして、雨の刻む軌跡を辿る
もう帰れないとわかってる
パパやママともバイバイ
わかってる
子供たちはそれをわかってるはずだ
それでも行くのは
そうなっても良いと思えるほどに
雨を追って突き進むことが
今は楽しくて楽しくて仕方がないからだった
些細な冒険心が
悪魔のように子供たちを駆り立てたのだ
さようなら子供たち
雨の行く末に宝物を見つけても、そんな話をニコニコ笑いながら聞いてくれる大人はもういないよ