リンゴの味

 

私だけ目覚め、林檎をひとつかじる
隣で眠るあなたの横顔を撫でる
この人は誰かしら
それに、ここは何処なのでしょう
そういえば、私も誰なのかしら
あなたも夢から覚めた時には
自分のことがもう分からないでしょうか
そしたら林檎を一口あげましょう
林檎の味がわかって、あなたも幸せでしょう

 

 

……あなたはいつ頃、目覚めてくれるのですか?
何日も経って
私が痩せるばかりで
せっかくとっておいた林檎が崩れてく
あなたの寝顔が崩れてく……