蕭然たるは澄んだ景色か

 

蕭然たるは澄んだ景色か、もしくは朝降る静かな雪か……
小学校の通学路ばかりに連なる
積雪を手ですくった跡や、割れた水たまりも
いつしか横目で通り過ぎるようになってしまった
幼い頃ならば、朝起きてふと障子に目をやり
その曇りガラスでぼやけて、やけに大きく見えた雪粒でさえ
とても綺麗な宝石が降っているように思えたのに
もうそんなふうには喜べない
雪が降っても満たされない……
募るいらだちとため息……

大切なものが出来て、それから人は変わってゆく
そのために失ったものが、もっと大切なものだったとしても……