閉じてゆく花火

 

打ち上げられた花火が、ぱっと広がる
広がったら今度は、しゅっと閉じる
色とりどりの火の粉が、中心に収束する
いつかすべてのものがそうなる
人の体も収束し
小さな細胞になるまで閉じてゆく
地球も
宇宙も
なにもかも……
まるでその象徴のように
ああやって閉じてゆく花火がある
あの花火のひとつひとつに宇宙があるんだよ
きっと、なかに宇宙がある花火が
開いたら、閉じるんだ
その刹那
あのなかで果てしない歴史があったのかもしれない