天井を触るクセ

 

幼い頃、天井を触るクセがあった
もちろん天井に手が届くはずなんてなかった
でもその記憶がある
壁とおんなじ、白い壁紙だけど
柄が違うのか少し手触りも違ってた
それも覚えてる
感触がさらさらして気持ちよくって
いつもいつも、よく触ってた
大人になって今にして不思議に思う
だって今現在の身長ですら
飛び跳ねたって届かないのに
私はどうやって天井を触ってたのか
でもいつもいつも触ってたせいか
私の手でこすれて薄っすらと黒ずんだ跡が
今でもよく見ると残ってるのだ
記憶違いでもなんでもなく
私には天井を触るクセがあったはずなんだ