白の庭

 

庭に面したバルコニーから君を眺める
白いワンピースを着て
白い麦わら帽子を深くかぶった君が
庭にひしめきあう
僕が手を振ると
庭にひしめく沢山の君のうち
およそ半数ぐらいは手を振り返してくれた
にこにこと
帽子の奥の口を、三日月型に笑わせて……
……どれが最初の君だったのか
今の僕にはもうわからない
わからないから、仕方がない
これからも僕はすべての君を愛して生きてゆくよ
白く染まったこの庭を眺めながら……