幽霊日和

 

今日は日が照っていて
そよ風が気持ちいい一日だった
暑くもなく寒くもない、快適な気候
小鳥のさえずりや
遠くの大通りを行き交う車のわずかな走行音
揺れる洗濯物
公園で子供たちが遊ぶ声
すれ違う人の肩に乗った女の首
青空を横切る飛行機雲
大きな家の庭にいる犬と
窓辺の猫
木漏れ日とその間からぶら下がる両脚
何かの会社の窓から覗く大きな顔
少しずつ暗くなってゆく街並み
耳元に寄せられた囁き
橋から何度も飛び降りるサラリーマン
今日もすばらしい幽霊日和だった
どれもこれも感慨深い
犬も猫も
誰もいない公園で聞こえてきた子供の声も
まるで生きているかのようで素敵だった