夜風にまどう

 

行き場をなくした風が夜になっても彷徨っている
私の足は
それに流されることなく立ち尽くす
そして眺める
月を
街を
遠くの海を
そしてあなたのいない日々を……
行き場をなくした心が夜になっても彷徨っている
私にはもうこの季節しかなくなってしまったようだった