飴男

 

あの人が来るといつもこうなの
止まない飴が降ってくる
曇った空の彼方から
たくさんの飴が降ってくる
窓をたたき
頭をたたき
地面をたたいて
砕け散る
砕けたかけらが
いつか溶けて
ひとつのかたまりになって
浮き上がり
飴の、男が出来上がる
立ち上がる
歩き出す
あの人が来るといつもこうなの
そう、あの女が来ると、いつもこうなのよ
飴の男が生まれるの