フィクション体験記

 

この物語はフィクションです
実在する人物、団体等は一切関係ありません

私は幸せな人生を送りたいとか
こんな人生にしたいとか
全然考えずに子供の頃から生きていた
いつだって別に
自分が今、特別不幸だとか、幸せだとか
そんなことも考えていなかった
思い浮かぶこともなかった
ただ流れるように生きていた
流されるように過ごしていた……
それが大人になってしばらく
つらいことが増えた
失い、別れ、傷ついた
初めて不幸だと自覚した日を
私は今でも覚えている……
でも今
何故か割と幸せに過ごしている
転職がきっかけだった
仕事は順調だ
新しい出会いもあった
健康だし
趣味も充実している
そして今度、結婚だってするのだ
私にはまったくもって縁のないものだと
そう思っていた未来が
叶うのかもしれない
割と幸せ……?
ううん、違う
幸せに、少しとか、割と、とか
そんな曖昧なものはないのかもしれない
そう思った
ちょっとでも良いことがあったなら
その人生は幸せなのかもしれない
だからやっぱり、ハッキリと言える気がする
私は今、幸せに過ごしている
大切な人と生きていく幸せ
ずっと一緒に生きていく幸せ
これ以上のものはない
この人生ほど大切なものなんて、他には

こんな素敵な人生が
誰かの作り話じゃありませんように……