階段を登ればあなたが待っている

 

階段を登ればあなたが待っている
登りきればあなたに会える
私は必死で登った
ひたすら階段を駆け登った
あなたのもとに辿り着きたくて
無我夢中だった
途中で躓いて転んだりした
靴の奥で足先が擦り剥けもした
血が滲む
骨が軋む
腱が悲鳴をあげ
息が切れて肺が燃えそうになる
それでも私は登った
神様……!
神様どうか、私に力を……!
頭で繰り返しそう願う
……絶対に、どうしても
あなたのもとへと行きたかったのだ
そして、もうダメかと思った時だった
辿り着いた
登り詰めたのだ
ついに
あなたのもとへと私はやって来た
そうして私は
あなたを突き落として殺した
やった!
やったんだ!
ついに!
このためにここまで来た
良かった、本当によかった……
神様!
やったよ神様! 私、やったよ!