君と歩いた白い街

 

こんなただの住宅街でも
雪が積もればちょっと素敵な景色になる
白く様変わりした街
君とは年中ずっと一緒に歩いていたけど
雪の中を歩くのは特別だった
お出かけの時はいつも嬉しそうな君が
一番楽しそうにはしゃぐのが、雪の日だった
体じゅうに雪ひっつけて
走り回って鼻から突っ込んで
笑ってるのがわかった
僕はいつも
君に引っ張られて転ばないようにするので必死だった
君がいなくなってからも
この街には雪が積もる
でももう
そんな日は外に出なくなってしまった
けど僕は君を忘れない
もう何年も経って
この街を白く染めるこの雪は
今は君のいる場所から降っているような気がするんだ